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羽茂郡


慶長6年から幕府領。郷帳類による村数・高は,「元禄郷帳」60か村・2万1,341石余,「天保郷帳」61か村・2万1,846石余,「旧高旧領」62か村・2万1,943石余であった。「佐渡志」によれば,村数60か村,反別は田878町余・畑1,089町余。地内の小木港は江戸初期から越後への渡海港・金銀積出港として繁栄したが,寛文年間からは河村瑞賢によって開かれた西廻り航路の寄港地として重きをなした。また,羽茂大石港は安永年間以後,年貢米の積出港として栄えた。赤泊港は享保年間から佐渡奉行の渡海港となって発展のきっかけをつかみ,のち蝦夷地への物資や越後・信州への牛の積出港として知られた。明治4年相川県を経て,同9年新潟県に所属。「新潟県管内地誌略」によれば,明治12年の反別約8,300町,町1・村53,戸数約5,400・人口約2万3,600,物産は鯛・海鼠・鯣・乾鰯・魚油・乾海苔・蔓藻・藻花・竹・榧実・串柿・網端縄・木材・蒼朮など。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典(旧地名編)」
JLogosID : 7314134