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長岡(中世)


 南北朝期から見える地名。伊那郡のうち。戦国期には郷名でも見える。南北朝期成立の「正眼智鑑禅師年譜」元徳元年条に「師族信州伊那郡長岡邑藤氏〈又田,神氏〉」とあり,6月18日勇健が当地で生まれたという(信史5)。下って長享2年の春秋宮造宮次第に「外之垣百八拾間之内……一,拾九間 樋口・長岡・小河内 昔ハ五人にて取候由古帳ニ有之,〈今〉辰野善次」とあり,「不立,是ハ郷中之不沙汰故立不申候」という付箋が付されている(信叢2)。天文23年12月7日は武田晴信は川手右衛門尉の母に息子の忠節を賞して「長岡分五貫五十文之所」を宛行った(御判物古書写/信史12)。その後天正6年の下諏訪春秋両宮造宮帳には「一,春宮外籬拾九間役 上伊那内 樋口 小河内 長岡 此取手辰野善次 惣部合廿五貫五百文」,同年の下諏訪春宮造宮帳にも同様に記され,「長岡分」は籾5俵1斗(代1貫100文)であった(信叢2)。なお同7年の春宮柱諸事には「一,外籬拾九間 比口・小河内・長岡之郷 執手辰野善次」と郷名で見える(同前)。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典(旧地名編)」
JLogosID : 7340533