著作隣接権
【ちょさくりんせつけん】
Neighboring Rights
既存の著作物という情報を伝達または利用する者である著作隣接権者が著作権法に基づいて保有する権利をいい、実演家(著作権法第2条第1項第4号)、レコード製作者(同法第2条第1項第6号)、放送事業者(同法第2条第1項第9号)および有線放送事業者(同法第2条第1項第9号の3)に著作権法上与えられた諸権利をいう。具体的には、実演家の録音権・録画権(実演を写真撮影する行為は権利に含まれない)、放送権・有線放送権、送信可能化権、譲渡権、商業用レコードの貸与権等、レコード製作者の複製権、送信可能化権、譲渡権、商業用レコードの貸与権等、放送事業者および有線放送事業者の複製権、送信可能化権等が認められている。これらの権利は禁止権として機能し、具体的には第三者が権利者に無断で放送をする等、これらの権利を利用した場合、権利者は当該第三者に対し、著作隣接権侵害を理由とする損害賠償請求や差止請求等が可能となる。そのため、これらの権利を利用する場合には、原則として各著作隣接権の権利者の許諾を得なければならない。また、著作隣接権の侵害みなし規定が定められ(同法第113条)、著作隣接権を侵害する行為によって作成された物をそのような事情を知りながら頒布する行為等、当該規定の内容に抵触するような行為についても著作隣接権侵害となる。
【参照キーワード】
→実演家の権利
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| 日経BP社 「日経ビジネス 経済・経営用語辞典」 JLogosID : 8518281 |