ノウハウ
【のうはう】
Know-How
ノウハウとは、狭義には、ある技術的思想やこれを実施するのに必要な具体的な技術的知識、資料、経験などであって、その保有者が現に秘密にしているものをいう。広義には、営業マニュアルなどの営業秘密や秘密ではない財産的な情報も広く含まれる。ある技術的思想を創作した企業は、当該技術的思想を活用する際、特許出願または実用新案登録出願を行うか、ノウハウとして秘密にするかの選択がありうる。特許出願または実用新案登録出願を行えば、特許権または実用新案権を取得した場合には特許権または実用新案権の存続期間の間は、実施権を専有でき、当該特許権または実用新案権の侵害行為に対し、差止および損害賠償請求が可能となる。一方で、当該権利の存続期間が有限であることや、当該情報が公開されるため、模倣の可能性が高まることなどのデメリットがある。一方、ノウハウとして秘密にすれば、期間の制限がなく、模倣が生じにくいというメリットがあるが、第三者が独自に開発したり、不特定者に当該情報が知られてしまえば権利性がなくなってしまうなどのデメリットがある。ノウハウが不正競争防止法第2条第6項で定める「営業秘密」に該当する場合には、当該営業秘密を不正に取得する行為や不正に利用する行為は不正競争防止法により、差止および損害賠償の対象となり、一定の場合には刑事罰も課される(不正競争防止法第2条第1項第4号以下)。もっとも、ノウハウが営業秘密に該当するためには、一定の要件に該当する必要があり、ノウハウに関する管理体制を整える必要がある。
【参照キーワード】
→営業秘密
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| 日経BP社 「日経ビジネス 経済・経営用語辞典」 JLogosID : 8518303 |