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Winny
【ウィニー】


 インターネットを介したファイル共有ソフトパソコン同士が、互いのファイルをやり取りする。2002年5月に最初のバージョンが登場した。2005年から2006年にかけて、Winnyを介して利用者のパソコンにあるファイルを勝手にインターネット上に公開するウイルスが広まったことで、官公庁や企業、個人を問わず、個人情報や機密情報の流出事件が相次ぎ、大きな問題になった。
 Winnyの構造や仕組みはGnutellaWinMXに近い。ソフトを起動中のパソコンは、通信の中継点(ノード)となり、独自のネットワーク網を形成する。特定のサーバーは利用せず、各ノードは所有するファイルの情報をバケツリレー方式でほかのノードに渡し合う。その一方で、ユーザーが欲しいファイルを検索すると、ソフトは目的のファイル情報を持つノードを探し、自動的にダウンロードする。
 最大の特徴は、匿名性が高い点。ユーザーを特定するIDなどがなく、データ暗号化されるので、ファイルの入手先を特定しにくい。ダウンロード時は、別のノードを経由することがあり、通信の痕跡も残りにくい。もう一つの特徴は、通信の転送効率が高いこと。ノードにはダウンロードしたファイルキャッシュが蓄積される。ダウンロードの頻度が高いファイルは、よりダウンロードしやすくなる。
 音楽や映画の著作物、市販ソフト、わいせつ画像などの違法なファイルが大量にやり取りされた。2003年11月、市販のゲームソフトを不正に流したとして利用者2人が逮捕されたのを皮切りに、2004年5月には開発者まで逮捕された。開発者には、2006年12月に京都地方裁判所から有罪判決が出されたが、2009年10月に大阪高等裁判所で開かれた控訴審では、一審判決が破棄され、無罪が言い渡された。

【参照語】
ピアツーピア
Gnutella
WinMX




日経BP社
「パソコン用語辞典」
JLogosID : 8533468