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頭・天窓
【あたま】


atama

【古代】1)クビから上の部分。[中国語]頭。head. 2)天(てっ)辺(ぺん)の部分、いわゆる脳天の部分。[中国語]頭、脳袋。crown.

【語源解説】
古語では漢字、〈頭〉はカシラで、〈阿(ア)太(タ)万(マ)〉には〈{じこころおおがい}会〉などを対応させ区別する。したがって、カシラやカウベ(コウベ)が全体をさすに対し、アタマはそのある部分をさす。〈{じこころおおがい}会〉は頭のてっぺんで、〈ヒヨメキ{ヒヨメキ}・オドリコ{オドリコ}〉といわれる部分(赤子のころにはまだ固まらずに、ピョコピョコと動く部分)をさす({じこころおおがい}は本字{くにがまえめ)(シン))。これがアタマ。アタマのアは天、最上部。タマは玉、円とまるい意か。

【用例文】
○{じこころおおがい}会 一ニ天窓ト云フ、{くにがまえめ} mini{和名、阿(ア)太(タ)万(マ)}。一云フ{ゆうおおがい}、訓ハ上ニ同ジ〔阿太万(アタマ)〕(和名抄)○天窓mini{アタマ}(名義抄)○君子ハアタマヲサシダサフヤウガナイ(毛詩抄)○Atama. アタマ アタマガウツ=頭が痛む、アタマヲマルムル=剃髪者になる、アタマヲハル=頭をなぐる、アタマヲフッテイヤガル=頭を振ってあることを拒絶する、あるいは否という/アタマガチナヒト=何事も自分の考えで処理もし、意見ものべ、なかなかうぬぼれの強い出すぎた人(日葡辞書)○{おんこころおおがい)会(アタマ)mini{シンエ}、天窓(同)(易節用集)○山寺にすみつねにばうずあたまをそりつけ(きのふは)○天窓(あたま)(毛吹草)○はつむまに狐のそりし頭哉/春の日にあたま〔髪〕の長き男かな(芭蕉)○あたまの黒いねづみの業(わざ)/あたまから〔はじめから〕(西鶴)○天窓(あたま)、天窓(あたま)勝(がち)(早節用集)○hoofd. 頭、首(訳鍵)○天窓(あたま)から人を呑でる目くら蛇(川柳)○翌(あく)る日(ひ)は天窓(あたま)が重(おも)てへとか、お頭(づ)痛(つう)が遊ばす(浮世床)○{おんこころおおがい2)会(あたま)、天{おんこころおおがい2)(同)(いろは節用)○あたま匿(かく)して尻匿さず(俚言集覧)○アタマ 頭 head. 頭ガイタイ、頭ヲハル、頭ヲタタク。頭カズ=人数。同義語 カシラ、イタダキ、コウベ、ツムリ(ヘボン)
【補説】
江戸時代まで、アタマの漢字表記は〈天窓〉が一般的。それだけ原義を残していることになる。古代語はアタマの一部をさし、近代語ではアタマ全体をさす。したがって近代語ではカシラはアタマにとって代わられ、古典的になる。また、アタマが転義として、〈最初〉の意をもつ。鳥や魚、猫など動物のアタマという用法はのちのこと。『源氏物語』にはカシラはあっても、アタマはみえない。なお漢字の〈頭〉は、豆が音のトウを、頁が意味を示す。古い文字(甲骨文){あたまこうこつ}では、人間のアタマをさす。したがって、〈頁(ケツ)〉が日本語のアタマと一致する。⇒〈かしら〉〈こうべ〉




東京書籍
「語源海」
JLogosID : 8537053