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テニス
【てにす】


tennis/tenisu

【現代】訳して〈庭球{ていきゅう@庭球}〉とも。コートで中央のネットをはさんで、二人また四人でボールを打ち合う競技。[中国語]網球。(lawn-)tennis.

【語源解説】
試合の際、合図に、tenez(テネ)、―{2}古代フランス語、tenir(トゥニール)の命令形tenez(球をもって)―{2}と用いたところから。英国にはいってゲーム自体を英語風に、テネ→テニスといった。テニスの前は中世フランス貴族の間では〈jeuw(ジュー)(競技)de paume(ポーム)(掌)〉とか、略して、la(ラ) paume(ポーム)とよんだ。また一説に初期、テニスの球(布製)をエジプトの都市、Tinnis(ティニス)で製造したゆえともいう(前者がよかろう)。日本には明治初期に紹介され、神戸で外国人たちの間でおこなわれたが、スポーツとして紹介されたのは明治11年(1878)9月、文部省の招聘でアメリカ人教師、ジョージ・アダムス・リーランドLeland(1850~1924、在日3年間)が東京の体操伝習所で教習したのがはじまりという。なお、〈軟式テニス〉は明治19年、当時東京高等師範学校教授、坪井玄道による独創という。〈庭球{ていきゅう@庭球}〉の語は原語からはでてこないわけで、戸外競技としてのテニスが英国で芝(しば)生(ふ)のコートでおこなわれるようになった点、そのローン(lawn=芝生)コートを〈庭〉としてみての意訳。これは中馬庚(かのえ)によるという。

【用例文】
○やはらかにローンテニスの球(たま)光る公園に来てけふもおもへる(北原白秋)
【補説】
はじめは室内でおこなわれ、イギリスに移り、屋外の芝生での本格的な競技として現在のテニスがはじまる。これは1874年ウィングフィールドで制定されたところからという。テニスと同じような遊びは紀元前500年ごろにエジプトでおこなわれていたという。なお、テーブル・テニスは〈卓(たっ)球(きゅう)〉の別称。⇒〈たっきゅう〉




東京書籍
「語源海」
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