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非軍事化と民主化が日本再建の2大方針


非軍事化と民主化が日本再建の2大方針

◎わずか1年で非軍事化達成

 アメリカは日本を再建するにあたり、2大方針を立てた。非軍事化および民主化である。

 占領後、ただちに軍隊が解散させられ、軍需産業がストップされた。また、極東国際軍事裁判(東京裁判)を開いて戦争責任者を厳しく処罰、戦争協力者を公職から追放。同時に軍国主義教育を停止した。

 さらに政治犯すべてを釈放、思想警察や特高警察を廃止し、天皇制批判の自由を認めた。1946年1月、昭和天皇も人間宣言を行い、その神格化を自ら否定した。

 同年11月3日には、GHQの強力な指示のもと、戦争放棄を定めた第九条を含む日本国憲法が公布され、日本の非軍事化は、こうしてわずか1年で達成された。

◎変わる日本経済のしくみ

 一方、日本の民主化政策は、おもに経済・教育・政治の3分野を中心に推進された。

 とくに経済の民主化についてみてみると、財閥[ざいばつ]解体、農地改革、労働改革の3改革があげられる。

 軍国主義の温床となっていた日本経済の財閥独占体制を解体し、今後も経済力が集中することのないよう、独占禁止法を制定した。だが、米ソの冷戦がはじまると、日本の経済再建が急務となり、制限は緩和され財閥の中心であった銀行の解体には手がつけられず、経済改革は不完全な形で終わった。

 寄生地主[きせいじぬし]制も軍国主義の温床とみなされ、農地改革が進められた。小作人に不在地主の土地が与えられたことによって、多数の自作農が創設された。

 また、労働組合の結成が奨励された。組合は戦時体制のなかで1940年以来絶えていたが、こうした奨励のもと続々と誕生、1948年には組織率は50%を超えた。同時に、労働者の諸権利を保障する労働三法(労働基準法・労働組合法・労働関係調整法)も公布され、労働改革は終了した。




日本実業出版社
「早わかり日本史」
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