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なぜトンカツだけフライと呼ばないの?


トンカツのカツはフランス語の「ctelette(コトレツト)(英語読みはカットレット)」が語源です。もともとは「骨付あばら肉」のことを指していました。
その後「カットレット」は、仔牛(こうし)や豚の切り身を平たく伸ばしたものに、小麦粉、溶き卵、そしてパン粉をまぶしてバターで焼いた(揚げるのではなく、どちらかというとソテーに近い)イギリス料理になりました。
このカットレットを現在のトンカツの形に変身させたのは、「煉瓦(れんが)亭」の木田元次郎さんでした。いちいちバターでソテーするのは面倒くさいので、テンプラのように油で揚げてみてはと考え、「カツレツ」という名前でメニューに加えたところ大人気となり、またたく間に日本全国に広まっていきました。
カツレツがトンカツという名前に変わったのは、昭和に入ってから。上野にある「ぽん多 本家」の創業者島田信二郎さんが命名したそう。
ちなみに、フライは魚や肉、野菜などをたっぷりの油で揚げたものを指します。
フライが西洋料理の揚げ物の総称なのに対し、カツという言葉は、語源が「骨付きあばら肉」だったことからもわかるとおり、ビーフカツ、チキンカツ、トンカツなど、肉の揚げ物にだけ使われる言葉です。




角川学芸出版
「無敵の雑学」
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