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国道
【こくどう】


 国道24号 京都から奈良を経由し,和歌山市小松原通1丁目2番までの国道。県内総延長50.8km。昭和27年12月政令第477号により大阪市の国道26号とともに指定された。主要幹線道路で,奈良県境の真土峠からは紀ノ川に沿って江戸期の参勤交代路,大和街道とほぼ並行しているが,旧街道と国道が一致する部分は真土峠,那賀郡打田町上野周辺,嘉家作りなどにすぎない。車線は2車線が大部分であるがバイパス部分は4車両分離帯がみられる。交通量は昭和57年7月,和歌山市の田井ノ瀬の1日2万5,953台,橋本市隅田町下兵庫で半日9,675台。昭和6~18年まで内務省和歌山国道改良事務所による改良施行,昭和29~30年の和歌山工事事務所による改良工事があり,さらに昭和52年に岩出バイパス(打田町黒土~岩出町備前)6.5kmが完成,和歌山バイパス(岩出町備前~和歌山市鳴神)12.4kmが計画されている。 国道26号 大阪市梅田から和歌山市小松原通1丁目2番までの国道。県内延長7.4km,全長69.9km。昭和27年12月4日,昭和11年からの国道16号が26号に変更されたもの。県内延長としては最も短い国道で,大阪市から堺―高石―泉大津―岸和田―貝塚―泉佐野―泉南の各市を経て泉南郡岬町に入り(以上,大阪府),孝子峠を越えて和歌山市に入る。和歌山市梅原付近まではほぼ南海本線と並行している。紀ノ川大橋を通過して紀ノ川を渡り,県庁前に至る。この県庁前は,国道24号・42号との分岐点となっている。 国道42号 和歌山市小松原通から三重県津市丸ノ内までの国道。県内実延長218.0km,全長366.2km。前身は近世の熊野街道が明治13年仮定県道となったもので,その後何度か変更の後,現在の区間になったのは昭和38年5月10日で,昭和28年5月18日に指定された2級国道170号(和歌山市と三重県松阪市を結ぶ)が1級国道42号として和歌山市と津市を結ぶ形で昇格したもの。その後何度か整備・改修が行われている。和歌山市の小松原通8丁目から東徒町260mが県管理区間。昭和59年3月28日に完成した箕島~古江見間を結ぶ11kmの有田(ありだ)バイパスを持つほか,海南市と吉備町を結ぶ海南湯浅道路約10.9kmも現在は42号に含まれている。和歌山市―海南市―海草郡下津町―有田市―有田郡湯浅町―広川町―由良町―日高町―美浜町―御坊(ごぼう)市―日高郡印南(いなみ)町―南部(みなべ)町―田辺市―西牟婁(にしむろ)郡上富田(かみとんだ)町―白浜町―日置川(ひきがわ)町―すさみ町―串本町―古座(こざ)町―東牟婁郡那智勝浦町―太地(たいじ)町を経て再び東牟婁郡那智勝浦町を通過し,新宮市を経て三重県へ入る。 国道168号 新宮市から大阪府枚方市に至る国道。新宮市と奈良県五條市を結ぶ部分は五新国道ともいう。国道24号などとの重複部分を含めて全長198kmで,県内分は42.3km。県内部分の舗装率100%である。新宮市で国道42号と分かれ東牟婁(ひがしむろ)郡の熊野川町~本宮(ほんぐう)町を通り,十津川峡谷に沿って五條市に至り,五條市から大和高田市までは国道24号と重複する。大和高田市からは生駒山地東麓を北上,生駒市・交野市を経て枚方市で国道1号に接続する。この国道は,第2次大戦後吉野熊野総合開発によって全通したもので,新宮地方と京阪神を最短距離で結ぶために重要な役割を果たす。また,紀伊山地の木材の搬出路としても利用されている。新宮市から本宮町までの部分は,吉野熊野国立公園内を通るため,熊野川の峡谷美が楽しめ,沿線には瀞峡・熊野本宮大社・湯の峰温泉・川湯温泉など観光地・温泉地がある。現在,新宮市から熊野川町宮井まで23.5kmは,すべて改修工事が完成しており,本宮町まで改修工事が進む。 国道311号 西牟婁(にしむろ)郡上富田(かみとんだ)町と三重県尾鷲市を結ぶ国道。総延長171.9km(県内は84.9km)。上富田町朝来(あつそ)から国道42号と分かれ,富田川川丈をさかのぼり,西牟婁郡大塔(おおとう)村―同郡中辺路(なかへち)町―東牟婁郡本宮(ほんぐう)町―同郡熊野川町―同郡北山村を経由して三重県に至る山間の国道。明治43年に仮定県道に,昭和45年県道田辺本宮新宮線から国道に昇格した。しかし道幅は狭く,カーブが多く見通しも悪い上に傾斜も急で,酷道と呼ばれた。昭和48年から北郡(ほくそぎ)バイパス(延長2km)・北郡トンネル(長さ224m・幅7.3m)・蕨尾(わらびお)橋(165m)・真砂橋(260m),同50年本宮町渡瀬トンネル(415m),同52年から滝尻トンネル(長さ591m・幅6.5m)の工事を完成した。また朝来バイパス建設をはじめ,順次工事を進めている。本県域のトンネルはほかに標高550mの逢坂(おうさか)峠にある逢坂トンネルが標高450mの地点にうがたれ(長さ550m・幅4.5m),昭和20年に開通した。国道は一部で国道371号・168号と重なり,本宮町から熊野川町に至る168号とは,かつての瀞八丁観光のプロペラ船発着地宮井で分かれる。宮井橋を渡り,熊野川支流北山川をさかのぼって三重県に至る。上富田町~本宮間は,かつての熊野街道中辺路をほとんど継承する。なお中辺路町栗栖川(旧芝村)・近露に宿場跡の景観を若干とどめている。 国道371号 大阪府河内長野市と紀伊半島南端の西牟婁(にしむろ)郡串本町を結ぶ国道。総延長233.5kmのうち,本県内の実延長は224.6km,舗装延長は209.3km。昭和57年4月に,旧国道170号(大阪府高槻市―河内長野市―和歌山県橋本市),旧国道371号(橋本市~西牟婁郡中辺路(なかへち)町~田辺市)の各一部,および中辺路町~串本町間の主要地方道をもって,新しく国道371号に指定された。本県の山間部を縦貫する。河内長野市の七ツ辻を起点として高野街道を経て,県境の紀見トンネルから橋本市に入る。市街地で国道24号と重複した後,紀ノ川を渡り,南走して,伊都(いと)郡高野町高野山に至る。高野山から伊都郡花園村の箕峠までは2つの経路に分かれる。1つは,高野竜神スカイラインであり,高野山中の橋を起点に紀和の国境を縫いながら,花園村~有田(ありだ)郡清水町を経て,日高郡龍神村の大熊に至る。ほかは,高野山から高野町相ノ浦を通り,有田川沿いに花園村中南まで走り,箕峠でスカイラインに接合する従来のルートである。龍神村の大熊からは竜神街道を経て竜神温泉に出る。そこから日高川沿いに下り,郡界の果無(はてなし)山脈の一峰を越え,中辺路町に入る。同町の高原~滝尻間は国道311号と重複する。滝尻からは日置(ひき)川,古座(こざ)川の各本支流に沿い,西牟婁郡大塔(おおとう)村,東牟婁郡古座川町を経て,串本町高富で国道42号と接続する。 国道424号 田辺市芳養(はや)町から那賀郡打田町打田までの国道。総延長127.5km,実延長116.8km。昭和57年4月1日,それまでの県道北大井―打田,打田―岩出,竹房―打田,海南―九度山,海南~鳥屋城~湯浅,田辺~川上~湯浅,南部(みなべ)―龍神の各線の一部が西部縦貫道路として国道に指定されたもの。龍神村内の小家谷~福井間の10.7kmは同時に指定された国道425号と重複する。南部川村内の法手見・切目辻,美山村内の椿山の3隧道がある。田辺市,日高郡南部町・南部川村・龍神村・美山村,有田(ありだ)郡金屋町を経て,有田郡吉備町へ入り,再び金屋町へ入り,海南市,那賀郡貴志川町・桃山町を経て打田町へ入る。未舗装の部分も残るが,徐々に改良・整備事業が進行している。 国道425号 三重県尾鷲(おわせ)市から紀伊半島を横断し御坊(ごぼう)市塩屋町北塩屋に至る国道。県内実延長49.1km,全長234.8km。昭和57年4月1日,県内の県道御坊―十津川,田辺~川上~湯浅,南部(みなべ)―龍神の各線の一部および三重県内の県道を合わせ,紀伊半島横断道路として国道に指定されたもの。龍神村小家谷―福井間は424号と重複し,それより三重県へは,国道371・311・168号と重複する。県内では龍神村の唐尾,印南町・龍神村までが県管轄の42号の区間。




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「角川日本地名大辞典」
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