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浜村温泉[中国地方]
角川日本地名大辞典

勝見温泉を含む総称。気高(けたか)郡気高町浜村を中心に勝見などへも広がる温泉。温泉湧出区域は東西約600m・南北約300mとなっている。浜村温泉南続きの勝見温泉は延享3年の「勝見温泉由来記」によると「永禄6年,鹿野城主亀井の臣宍戸豊後,白鷺を射てこれを傷つく。鷺,沢畔に留りて去らず往きて検するに温泉湧出せり」とある。このためこの温泉を鷺の湯とも呼んでいる。開湯は文亀元年とも元禄15年の起源という説もある。明治17年4月26日浜村の製糸家鈴木寛平が製糸用の井戸を掘ったところ,80℃近い湯の噴出を見,明治15年に新設された米子新道沿いに温泉旅館が,建てられていった。同45年全通の国鉄山陰線の浜村駅は北側浜村側に開かれ,湯量の減った勝見温泉はさびれて行った(鳥取百年)。浜村温泉は浜村駅前一帯に広がり,北に日本海を控え,浜村砂丘背後の温泉街で夏場も多くの海水浴客を迎えている。南方には鷲峰(じゆうぼう)山連峰を望み,東方には「因幡の白兎」で知られる白兎海岸,西方に日本海に突出した長尾鼻(岬)も眺められる。泉質は単純泉と含石膏食塩泉で,一部には放射能泉がある。胃腸病・リューマチ・婦人病・皮膚病などに特効がある。温泉数は39,うち枯渇源泉数9・利用動力源泉数26・未利用源泉数4,平均泉温52.7℃・湧出量合計毎分990.6ℓ(県温泉総覧)。当温泉は県東部の温泉の中では湯量が豊富で,県下で唯一の温泉プールをもち大学・高校などの合宿練習にも利用されている。旅館9・厚生施設3・共同浴場4に温泉が利用され,泉温はやや下がっているが,昭和38年以降湯量は急増し安定してきた。同40年以来,浜村温泉旅館共同組合により温泉の集中管理体制について検討されてきたが,未だ実施に至っていない。年間観光客は,昭和29年4万4,126人・同30年5万3,668人・同40年16万2,885人・同50年34万1,000人・同55年32万5,300人(県観光課調),収容能力は1,300人である。山陰本線沿いの温泉地として国道9号にも近く,北に接する砂丘,日本海と山陰らしい風景の中にある温泉地である。