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犬山[中部地方] |
戌山とも書いた。狗山とも「朝倉始末記」にある。飯降山の尾根続き犬山の北麓に位置する。犬山の北西に延びる小さな尾根に犬山古墳群(方墳12基)が認められる。中世には牛原荘のうちで,南北朝動乱の頃越前守護斯波義将弟斯波義種は戌(犬)山城を築いて大野郡を支配,文明年間頃から朝倉氏の支族と入れかわり,一乗谷の支城となった。天正3年,織田信長の部将金森長近が大野郡の3分の2を与えられて入城したが,翌4年から15町東の亀山を利用して大野城を築き,戌山城は廃城となった。城の遺構として,ふもとから山頂の本丸に向けて数条の切り通しが顕著に残っている。ふもとには館跡,武家屋敷跡らしい馬場・長町・重臣やしきなどの地名が残る。斯波氏記には斯波氏の家老として「犬山城主 千福中務少輔 織田弾正之忠」が見える(斯波氏文書/一向一揆資料)。慶長国絵図には犬山村326石余とある。
【犬山村(近世)】 江戸期〜明治22年の村名。
【犬山(近代)】 明治22年〜現在の大字名。