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両白山地[中部地方]
角川日本地名大辞典

石川・福井両県との境にある山地。北部の白山(はくさん)(2,702m)を中心とする山地群と南部の能郷白山(のうごはくさん)(1,617m)を中心とする山地群からなる。北部山地群は加賀山地ともいい,飛騨側は流紋岩・黒雲母花崗岩・安山岩などの火成岩類と手取層群の中生代層から成る。標高1,700〜2,000mの山峰を持つものが多い。代表的な山に人形山(1,724m)・猿ケ馬場山(1,875m)・笈ケ岳(おいがだけ)(1,841.4m)・野谷荘司山(1,797.3m)・三方崩山(2,058.8m)・丸山(1,786m)・大日ケ岳(1,708.9m)がある。南部山地群は美濃越前山地または越美(えつみ)山地ともいい,主として古生代二畳紀のいわゆる秩父古生層で,砂岩・粘板岩・チャート・石灰岩山地で,主峰の能郷白山は花崗閃緑岩から成る。標高1,200〜1,400mの山峰を持つものが多い。代表的な山に滝波山(1,413m)・屏風山(1,354.2m)・冠(かんむり)山(1,256.6m)がある。北部山地は日本でも有数の豪雪地であり,この山地を南北に貫流する庄川は深い谷を刻み,御母衣(みぼろ)ダムなど多くのダムが建設されて水力発電に利用されている。また,この山地の大部分は白山国立公園に指定されているが,横断通路がなく長い間交通の障害となっていたが,昭和52年に完成した白山スーパー林道はこの山地の探訪を便利なものにしている。南部山地も多雪地であるが,県内における夏季の最多雨地としてもよく知られる。9月の台風期には集中豪雨の発生しやすい地域であり,下流部の濃尾平野に分布する輪中地域にはこれまで多くの水害をもたらしていた。現在は揖斐(いび)川上流部に横山ダムが建設されて下流部平野の水害防止に大きな効果を上げている。この山地の美濃・越前分水界には,西から高倉峠・檜尾峠・冠峠・温見(ぬくみ)峠・蠅帽子(はいぼし)峠などの峠道があって,かつては美濃〜越前間の重要交通路であり,福井県鯖江(さばえ)市にある浄土真宗誠照寺本山からのお巡り僧侶の通路,あるいは冬の濃尾平野への出稼者通路であった。しかし明治になって下流からの車道が開けてからは,漸次峠越えの交通路は衰微し,ほとんど利用者がなくなってきていた。最近国道157号が温見(ぬくみ)峠を越えて車道として復活したし,冠峠越えも峠の位置は冠山の西に変わったが,主要地方道29号として車の通過が可能となった。